​山田　奈央　Yamada Nao

“世の中にアートが溢れれば社会は豊かになり、人の心も育ちやすい環境になる”と私は信じています。なぜなら、価値観の形成に遺伝子の影響があることは避けられないですが、幼少期の間に育った環境にも大きく左右されるからです。また、人格の形成に重要な生活空間にアートが存在することの影響力と個人的な生い立ちを重ねて思い返した時、私は芸術の面白さに支えられてばかりだと気づきました。生活空間とアートが混在する社会こそ私が思い描く理想郷であり、そのような世の中になることを思い願っています。しかし、それを実現することは現実味のない理想論だと感じさせてしまう社会への諦めの念も等しくあります。人の知育のため、癒しを求める人のため、密かな大きい願いと自身の無力な現状を揶揄する思いを作品にしています。